2022.03.24
目次
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- 1. ATBeX ServiceLink for Azure開通手順書のご案内
- 2.事前に準備いただくもの
- 2-1.Azure ExpressRouteのご契約
- 2-2.BGP対応ルータ
- 3.構成の注意点
- 3-1.Azure ExpressRoute回線でのピアリング
- 3-1-1.冗長構成
- 3-1-2.Azure ExpressRouteの可用性
- 3-2.Azure ExpressRoute開通の際の注意点
- 3-2-1.Azure ExpressRoute回線の提供イメージ
- 3-2-2.ATBeX経由での提供イメージ
- 3-2-2-1.申請いただくVLAN ID
- 3-2-2-2.VLAN IDの設計
- 3-2-3.構成例
- 4. ATBeX ServiceLink for Azure増速時の注意点
1.ATBeX ServiceLink for Azure開通手順書のご案内
ATBeX ServiceLink for Azure開通手順書が掲載されました、下記のリンクをご参照ください。
ATBeX ServiceLink for Azure開通手順書
ATBeX ServiceLink for Azure接続サービス紹介
ここでは、ATBeX ServiceLink for Azure 開通時の注意点について補足します。
ATBeX ServiceLink for Azureの開通にあたっては、アット東京の接続サービス(ATBeX)とMicrosoft社の接続サービス(Azure ExpressRoute)の両方で作業が発生します。
ATBeX ServiceLink for Azureの全般的な内容は、本サイト内の「Azure ExpressRoute」をご覧ください。
Azure ExpressRouteの内容は、Microsoft社のサイト「Azure ExpressRoute とは」をご覧ください。
2.事前に準備いただくもの
2-1.Azure ExpressRouteのご契約
本サービスのご利用にあたり、別途、Microsoft社のAzure ExpressRouteのご契約が必要です。Azure ExpressRoute回線の作成方法は、Microsoft社のドキュメントクイック スタート: ExpressRoute 回線の作成と変更をご確認ください。
本サービスにはAzure側の「Azure ExpressRoute ポート料金、データ転送料」は含まれておりません。お客さまにてご契約いただいたAzure側のアカウントに請求されます。
2-2.BGP対応ルータ
Azure ExpressRouteへ接続するための接続用のBGP対応ルータが必要です。お客さまが準備されたBGPルータをお客さまラック内に設置いただくか、アット東京の「仮想マネージドルータサービス、またはマネージドルータサービス」(有償)をご利用いただくことも可能です。
3.構成の注意点
3-1.Azure ExpressRoute回線でのピアリング
3-1-1.冗長構成
Azure ExpressRouteは、冗長構成が必須とされています。(2022年3月時点)そのため、ATBeX接続回線も2回線が必要になります。ATBeX ServiceLink for Azureでは1申請につき2回線セットで提供されます。
図1 Azure ExpressRoute回線でのピアリング
注釈※) 用語としての「Primary ConnectionおよびSecondary Connection」の定義は、Microsoft社のドキュメントAzure ExpressRoute 回線とPeeringに基づきます。
Azure ExpressRouteでは、以下の2つのピアリングが使用されます。
– Azureプライベートピアリング(Azure Private Peering)(IaaS)
– Microsoftピアリング(Microsoft Peering)(PaaS、SaaS)
「Microsoft ピアリング(Microsoft Peering)(PaaS、SaaS)」では、下記の注意点があります。
・グローバルIP(Public IP)をお客さまで準備いただく必要があります。
参考:チュートリアル: Azure portal を使用した ExpressRoute 回線のピアリングの作成と変更
・Microsoftピアリング(Microsoft Peering)でMicrosoft 365を利用する場合は、Microsoft社による事前承認が必要です。
事前承認の内容/手続きにつきましては、お客さま担当のMicrosoft社のアカウントにご相談ください。
参考:Using Azure ExpressRoute with Microsoft 365
図1の緑色の線の部分は、回線SKUという帯域幅単位での契約(土管のようなイメージ)となります。50Mbps、100Mbps、200Mbps、500Mbps、1Gbps、2Gbps、5Gbps、10Gbps の帯域幅から選択してご利用いただけます。
また、1つの回線SKUの中に、Azureプライベートピアリング(Azure Private Peering)とMicrosoftピアリング(Microsoft Peering)を1つずつ作成できます。どちらか片方だけの利用も可能です。
3-1-2.Azure ExpressRouteの可用性
Azure ExpressRoute回線は、Primary ConnectionとSecondary ConnectionがActive-Activeモードで動作するように構成されています。
トラフィックの負荷はPrimary ConnectionとSecondary Connection間で分散されます。
詳細はMicrosoft社のサイトExpressRoute を使用した高可用性のための設計 をご参照ください。
3-2.Azure ExpressRoute開通の際の注意点
3-2-1.Azure ExpressRoute回線の提供イメージ
Azure ExpressRoute1回線の申し込みで、2つのConnection (Primary Connection, Secondary Connection)が提供されます。
図2-1 Azure ExpressRoute回線の提供イメージ-1
それぞれのConnectionの中に、Microsoft PeeringとAzure Private Peeringが最大各1つずつ設定可能です。
Primary ConnectionとSecondary Connectionの中で「図2-2」のように各Peeringは同じVLAN IDで提供されます。
VLAN IDはお客さま指定の番号にAzure PortalよりPeering申し込み時に設定可能です。
図2-2 Azure ExpressRoute回線の提供イメージ-2
3-2-2.ATBeX経由での提供イメージ
3-2-2-1.申請いただくVLAN ID
ExpressRoute回線の2つのConnectionを同じ接続回線で受け取ることはできません。
必ず異なる2本の接続回線に分けて収容する必要があります(Primary ConnectionとSecondary Connection中のVLAN IDの重複を避けるため)。
ATBeX接続回線でお客さまが受け取るVLAN番号はお客さまがAzure Portal内で申請されたVLAN IDと同じ番号で申請いただく必要があります。
3-2-2-2.VLAN IDの設計
ATBeXの1つの接続回線でご利用いただくVLAN IDはすべての接続先で一意である(重複しない)必要があります。既存で利用されているVLAN IDと重複しないようにご注意ください。
3-2-3.構成例
例えば、お客さまのAzure ExpressRouteが、
– ExpressRoute回線 1回線申し込み
– Microsoft Peering VLAN ID 152
– Azure Private Peering VLAN ID 150
同一回線の中で2つのPeeringを利用する場合
ATBeXでの利用申し込みは、
– ATBeX接続回線 2回線申し込み
– ATBeX ServiceLink for Azure 1申請で2論理回線提供
となります。
ATBeX ServiceLink for Azureは1申請で2つの論理回線が提供されます。また、論理回線料金は2回線分の料金となります。
4.ATBeX ServiceLink for Azure増速時の注意点
ATBeX ServiceLink for Azureの増速を行う場合は、ATBeX側の増速対応依頼に加えて、Azure ExpressRouteも増速対応を行う必要があります。お客さま側でAzure Portal上にて設定を行ってください。Azure ExpressRouteの増速につきましては、 Microsoft社のサイト「よくあるご質問 (FAQ) - Azure ExpressRoute | Microsoft Docs」をご参照ください。
手配が必要な項目
1)Azure ExpressRouteの増速
2)ATBeX側の増速
End-to-Endで増速後の帯域は、両方の増速が完了するまで利用することができません。
ただし、増速分の課金開始のタイミングは、Azure ExpressRoute、ATBeXそれぞれの増速設定完了時点から発生しますので、ご注意ください。
この記事を書いた人 勇次郎
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