新入社員向け超基礎講座 第1回「オンプレミスって何?」

2022.05.19

基礎講座

今回は春から新社会人となった新入社員のみなさんに向けて

超基礎講座をはじめます。

これまでこのブログで基礎講座を6回ほど書いてきましたが、それよりもっと

基本的な部分で、これってよく聞くけど、実はよくわかってないんだけどな~

と新人の皆さんは思ってるんじゃない?というところを掘り下げてみようかと思います。

第1回となる今回のテーマは「オンプレミスって何?」です。

なぜオンプレミスを理解する必要がるのか?

オンプレミスという言葉は、かつて情報システムの形態としては

当たり前、というかむしろ唯一これしかなかったので、オンプレミス

などという名前はついていませんでした。

サーバーの設置場所が特定されないクラウドが登場して、区別するために後付けでこう呼ばれるようになりました。

2007年~2010年あたりから使われるようになったと言われていて、略してオンプレと呼ばれています
(ここでは以下、オンプレと書きます)。

新社会人のみなさんにとってはインターネットやスマホは電気や水道のように

最初からあって当たり前のようなものではないでしょうか?

インターネットがなかったころ、クラウドがなかったころを知っている

世代にはクラウドの価値は理解しやすいのですが、インターネットがなかったころ、

クラウドがなかったころを知らない方々はクラウドが普通に見えてしまい、

かえってその良さやそれぞれの特長を実感しにくいかもしれません。

でも、クラウドについては聞いたことがあるというレベルにとどまらず、

オンプレとの違いも含めて理解してほしいところです。

そこで、クラウドを深く理解するためにもクラウドとは反対の概念にあたる

オンプレをまず理解する必要があります。なので、あえて遠回りして、

今回はオンプレを説明していくことにします。


コンピューターを自社で調達する。自社で所有する。

企業が何かの業務をコンピューターで処理する場合、サーバー機器やソフトウエア、

業務アプリケーション、ネットワークなど(以下にザックリとコンピューターと

言い換えます)を組み合わせて情報システムを構築します。

コンピューターを「使用者が管理する施設の中」に設置し、自社で保有・管理し、

自社で運用する形態をオンプレといいます。

オンプレは自社でコンピューターを調達します。

コンピューターを売ってくれる会社にお金を払って買います。

でもみなさんが普段コンビニで買い物をするように簡単に買えるわけではありません。

まず、必要となる性能や機能に基づいて機種選定をし、購入先の会社

(SIer/システムインテグレーター、メーカーなど)から見積をとります。

複数社比較して最も良いと思われる会社を選定し、社内決裁をあげて承認を

とった上で発注しなければなりません。

ここまででたいがい1ヶ月、2ヶ月ぐらいは経ってしまうのが一般的。

さらに発注してもスマホで通販の買い物をするように、翌日に届いたり

はしないでしょう。発注後さらに1ヶ月や2ヶ月あるいはそれ以上普通にかかります。

なお、企業がコンピューターを購入する場合、一括払いで購入せず、

リースするケースがあります。例えば5年リースの契約をしたりします。

そうすると毎月リース料を払いつづけますが、所有権はリース会社なので、

5年たったらリース会社に返却するか、再リースといってもう一度リースの契約をすることになります。

再リースにすると料金はぐっと下がりますが、契約期間は1年なので、

1年ごとにまた再リースするかどうか判断しなければなりません。

このリース契約とは別に保守契約もあります。保守契約を結ぶことにより、

故障したときの修理対応や問い合わせ窓口などのサービスが受けられます。

でも保守契約の期間はコンピューターの寿命と連動してくれるわけではありません。

コンピューターに問題がなくても保守はどこかで必ず切れます。

たとえば5年リースにしたら5年以内の保守切れは勘弁してほしいですが、

そうはいっても、リース期間とは全く関係なくメーカーは何年何月にサポート終了しますと言います。

そのサポート終了となる時期が来る前に新しいコンピューターに買い替える(リプレイス)

のか、保守切れのまま壊れるまで使い続けるのか判断する必要があります。


コンピューターを使用者が管理する施設の中に置く。

コンピューターを購入したら、どこかに置かないといけません。

オンプレミスのプレミス(英語だとpremises)は「構内」「店内」といった意味なので、

ここでは法人にとって「自分の会社のビルの中」を意味することになりますが、

この言葉の意味にあまりとらわれすぎるとちょっと混乱するかもしれません。

というのも、コンピューターを購入したとしても、必ずしも「自分の会社のビルの中」

に置くとは限らないからです。

では、「自分の会社のビルの中」に置かない場合というのはどういうケースでしょうか?

それはデータセンター事業者に場所を借りてコンピューターを置くケースです。

さて、それをビジネスにしている会社はどこですか?

みなさんご存知のあの会社です。

ここですぐに会社名が出てこなかった人は、全力・最速でバーピージャンプ10回

お願いします!笑(バーピーを知らない人はググってください)

これはもうおわかりですね。アット東京です。

(なんかピョンピョン飛んでる人が見えるような気が・・・いやきっと幻覚にちがいない・・・)

だいぶ昔の話になりますが、企業の情報システム部さんを訪問すると、

普通の事務所のビルなのに、その中の一画を改築して、下に配線を通せる

ように床上げしたり、空調設備を増強したり、なぜか土足禁止で下駄箱で

スリッパに履き替えてくださいと言われたり。そんなところにコンピューターを

置いてる会社はいっぱいありました。

でも1995年の阪神淡路大震災のインパクトもあり、

「うちのビルって大丈夫かな?」

「地震がきたらどうなる?」

「電気止まっちゃうよね?」

という話になり、万一に備えて

「頑丈な建物、設備の整った場所に置くべき」と考えるようになっていきました。

そんなこともあって「自社の会社のビルの中」ではなく、外部のデータセンターに場所を

借りるケースは多くなりました。

ということで、オンプレは「自分の会社のビルの中」に置く場合と外部のデータセンターに

置く場合があります。

外部のデータセンターに置く場合であっても、契約した面積分、契約したラック

の本数分は「使用者が管理する施設の中」と考えて、「自分の会社のビルの中」と同じと見てください。

どちらもオンプレです。


コンピューターを自社で運用する。

運用保守・監視業務

コンピューターを自社で運用します。要するに自社の要員がおもりをするということです。

コンピューターが動き出したら正常に稼働しているかどうか監視しつつ、何かトラブル

があればすぐに対応できるよう体制を整えておく必要があります。

トラブルでなくても、社内外から問い合わせがあるかもしれません。

24時間365日の稼働を求められるシステムなら、常に誰かは対応できるようシフトを

組んでまわしていかなければなりません。

また、業務を行うのに必要なスキルを持つ要員を必要な人数常に確保しておく必要があります。

1人でも減るとシフトが苦しくなって、社員も休みが取りづらくなったりします。

IT資産管理・契約管理業務

コンピューターの運用保守・監視作業に比べて、あまり表に見えないのがIT資産管理・契約管理業務です。

コンピューターを購入する場合、一括で購入代金を支払ってもいいのですが、

リース契約をする場合も多いです。

そうなると、コンピューターの所有権はリース会社にあるため、リース満了時には

リース会社に返却するか、再リースするかのどちらかになります。

なので、リース満了になる前にどっちにするか判断する必要があります。

リプレイスするから返却という場合、リプレイスするコンピューターを再び調達する

ことになり、またしても、機種選定、見積取得、決裁手続き・・・といったプロセス

を踏まなければなりません。

また、保守契約も重要です。コンピューターを使い続ける間はずっと保守契約が有効

ならいいのですが、リース期間よりもずっと早くサポート終了の通知がきたりします。

保守が切れる前にリプレイスするか、サポート終了のまま使い続けるのかといった

判断が必要となります。

さらに、ソフトウエアはライセンス契約があります。

今何ユーザー分のライセンス数なので、新しい業務を開始するにはライセンス数の

追加がいくつ必要かなどを検討する際など、もとの数字になるので重要です。

これができていないとライセンス違反で刑事罰の対象になったり、多額の賠償金を

課せられたりする可能性もあり、何より企業ブランドの損失が大きいでしょう。

このように調達したコンピューターはどこにどれだけの数があって、リース契約、

保守契約、ライセンス契約はどうなっているかといった情報を管理することになります。


オンプレの課題

ここまでオンプレついて説明してきましたが、

オンプレは課題が多いです。

すでに書いたところばかりですが、改めて課題として列挙します。

ザックリいろいろ大変そうだなと思ってもらえれば結構です。

コンピューター調達プロセス

上記「コンピューターを自社で調達する。自社で所有する。」で書いた通り、

必要となる性能や機能に基づいて機種選定、購入先の会社(SIer/システムインテグレーター、メーカーなど)

から見積取得、購入先選定、社内決裁というプロセスを1つ1つやっていかないといけません。

いくら急ぎだからといってもこういったプロセスをすっ飛ばすことはできないので、

時間がかかります。

コンピューターの運用保守・監視業務

上記「コンピューターを自社で運用する。」「運用保守・監視業務」で書いた通り、

24時間365日だとシフトを組むと言っても休日、夜間も勤務するなど社員の負荷は大きくなります。

なので、平日は社員でがんばるけど、休日、夜間は外部に委託するということも

あります。これはアウトソーシングと言います。部分的にアウトソーシングしたり、

運用業務をまるっと全部アウトソーシングしたりすることも可能です。

ただ、そういう場合は当然委託する範囲に応じて委託先に払うコストがかかってきます。

コンピューターのIT資産管理・契約管理業務

上記「コンピューターを自社で運用する。」「IT資産管理・契約管理業務」

で書いた通り、リース契約、保守契約、ソフトウエアライセンス契約といった

事務作業も地味に大変です。コンピューターの台数が1台、2台ならともかく、

数十台とか100台以上といったレベルになると雪だるま式に作業負荷が膨らみます。

設置場所にかかるコスト

設置場所が「自分の会社のビルの中」の場合、その自分の会社の設備を自力で

十分なものにしないといけません。コンピューターを正常に稼働し続けるために必要な

電源、空調、セキュリティ等の各種設備は、データセンターには当然のように備わって

いて、それを多くの企業が共用設備として利用する相当分のお金を払うことで成り立っています。

ですが、これらを自社専用の設備として1社で負担するとなると当然コストの負担は非常に大きくなります。


まとめ

  1.  オンプレはコンピューターを自社で調達する。自社で所有する。

  2.  オンプレはコンピューターを使用者が管理する施設の中に置く。
     使用者が管理する施設の中は自分の会社の中に置く場合とデータセンターに置く場合
     がある。

  3.  オンプレはコンピューターを自社で運用する。

  4.  オンプレの課題
    ・コンピューター調達プロセスの作業負荷が高く、時間がかかる。
    ・コンピューターの運用保守
    ・監視業務の負荷が高く、人材の確保も難しい。
    ・コンピューターのIT資産管理・契約管理業務の負荷が高い。
    ・設置場所にかかるコスト負担が重い。




いかがですか?

オンプレのイメージはつかめたでしょうか?

ブログの内容が少しでもお役に立てれば幸いです。

それではまた!

この記事を書いた人 @Sherpa

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