2021.08.19
みなさん、暑さ厳しい中体調は大丈夫ですか?
ワクチンは接種できましたか?
私は2回目接種完了しました。1回目の接種後あまりにもなんの副反応も
でなかったので、2回目の接種後何も副反応がでなかったら家族から
老人扱いされるのではないかと危惧していましたが、翌日からしっかり
発熱&頭痛の副反応というおまけをいただきました。。。(笑)
まだまだマスクがはずせない中、熱中症にも注意しつつ
この夏を乗り切りましょう!
ということで、基礎講座の第2回をはじめます。
今回のテーマは「ATBeXとプレミアムコネクトの違いって何?」です。
目次
ATBeX、プレミアムコネクトというサービスの位置づけ
各クラウドのサービス(AWS、Azure、Google Cloud、IBM Cloud、Oracle Cloud)を利用する場合、
各クラウドサービスが提供しているダイレクト接続サービスと、
そこへつなぐパートナーの閉域サービスの2つを組み合わせる必要があります。
ATBeX、プレミアムコネクトはそのパートナーの閉域接続サービスです。
アット東京ではこのパートナーの閉域接続サービスを2つ提供しており、
その1つがATBeXであり、もう1つがプレミアムコネクトです。
実を言うとATBeXはクラウド接続だけでなく、インターネットIX、通信事業者相互接続、
データセンター相互接続など多彩な利用用途に対応しているマルチ相互接続プラットフォームという
コンセプトなのですが、説明しきれないので、ここでは、
- ATBeXにつなげれば、そこからいろいろなところにつながる
- いろいろなところの1つとしてクラウドにつながる
ということだけご理解いただければOKです。
ここでは、クラウドにつなぐために利用するサービスというところに絞っておきます。
ATBeXって何?
では、クラウドにつなぐATBeXはどんなサービスなのかというと、
- 構内のネットワークサービスです。
- オンプレミス環境とダイレクト接続ポイントの間をつなぎます。
- L2(データリンク層)ベースです。
- 閉域です。
- 50Mbpsといった低帯域から利用可能で、帯域が確保されています。
- 1つの物理接続で複数の論理接続が可能です。
というサービスです。
まず1の「構内のネットワークサービス」ですが、構内とはデータセンターの中という意味です。
ネットワークサービスというとビルの外を出て遠くまで繋がるようなイメージがあるかもしれませんが、
データセンターの中にあるオンプレミス環境からデータセンターの中にあるダイレクト接続ポイントまで
外のネットワークに出ることなく、構内でつながるということです。
正確に言うと、ATBeXは東京ゾーンと大阪ゾーンがあり、この2つをつなぐ
中継回線というメニューもあるのですが、ここでは話を極力シンプルにして理解しやすいように、
東京ゾーンの中の話にとどめておく前提です。
次に2の「オンプレミス環境とダイレクト接続ポイントの間をつなぎます。」は、
このまんまですが、大丈夫でしょうか?
ここがいまいち???な方はもう一度 基礎講座の第1回 を見てください。
次に3の「L2(データリンク層)ベース」ですが、これはIPアドレスではなく、
ラベルと呼ばれるタグを利用してパケットを転送します。
例えば、運送業の配送センターでの場面を考えてみましょう。
都内にある配送センターから荷物を仙台市役所に送るとき、配送センターでの仕分けを考えます。
このとき、荷物に貼ってある伝票の住所の番地まで見て、県道、市道、私道まで考えてルート設定するのが、IPアドレスを見て処理するイメージ。
一方、ラベルを利用する方は「仙台エリア」というラベルを荷物にペタンとつけます。
仕分けの作業者は住所を見ず、ラベルだけ見ます。
トラックは関西便とか東北便があり、「仙台エリア」というラベルを見て東北便のトラックの荷台に載せます。
荷物を積んだトラックは都内の配送センターを出発し、都内のICから首都高にのり、さらに東北道に入って仙台宮城ICで下ります。
ここでラベルを剥がして、その後どういう下の道を使って最終目的地まで行くか考えます。
ATBeXはこの都内の配送センター~都内首都高IC~東北道仙台宮城ICまでの論理的なパス(経路)を提供するイメージです。
しかも渋滞なしで!
「仙台エリア」というラベルをATBeXでは「VLAN※) ID」と呼び、「論理的なパス(経路)」を「論理回線」と呼んでいます。
※)Virtual Local Area Networkの略。お客様ネットワーク内で論理的に分割され、独立したネットワーク。 VLAN IDはVLANを識別する番号。
L2(データリンク層)ベースであることにより、
ATBeXはこんなプロトコルしか対応してないので、それに合わせてください
といった余計な制限を受けず、お客さまはさまざまなプロトコルを自由に利用できます。
次に4の「閉域」ですが、これは読んで字のごとくですが、クローズドな世界です。
インターネットに出て行ったりしないですし、アット東京のデータセンターから外へも出ません。
次に5の「狭帯域から利用可能で、帯域が確保」。
ATBeXは複数のユーザーさまでご利用いただく共用のサービスですが、各ユーザーさまがご契約された帯域は確保されています。
100Mbpsで契約したら、ちゃんと100Mbpsでます。
今混んでるから50Mbpsしかでませんというようなことはありません。
論理回線の帯域メニューは各クラウドサービスのダイレクト接続サービスの
メニューに合わせて選択できます。
例えばAWSなら、AWS Direct Connect(ホスト型接続)のメニューが
50Mbps / 100Mbps / 200Mbps / 300Mbps / 400Mbps / 500Mbps / 1Gbps /
2Gbps / 5Gbps / 10Gbpsの中から選択でき、ATBeXの論理回線の帯域も
これに合わせて同様に選択できます。
(ちなみにプレミアムコネクトはAWSの場合、AWS Direct Connect(専用接続)に紐づくサービスです。)
プレミアムコネクトって何?
次にプレミアムコネクトとはどういうサービスなのかというと、
- 光ファイバーの構内配線サービスです。
- オンプレミス環境とダイレクト接続ポイントの間をつなぎます。
- 閉域です。
- 帯域は各クラウドのダイレクト接続サービスに対応した帯域となります。
まず1の「光ファイバーの構内配線サービス」。
プレミアムコネクトはスイッチとかルータとか小難しい機器は一切介在しません。
構内でケーブルをひっぱってつないで以上というサービスです。
次に2の「オンプレミス環境とダイレクト接続ポイントの間をつなぎます。」はATBeXと同じ。
次に3の「閉域」は、構内配線なので当然閉域です。
次に4の「帯域は各クラウドのダイレクト接続サービスに対応した帯域」。
プレミアムコネクトは1Gbps~100Gbpsまで対応していますが、各クラウドサービスのダイレクト接続サービスの帯域メニューに依存します。
例えば、AWSの場合、AWS Direct Connect専用接続の1G、10G、100Gという
いずれかのメニューをAWSに申し込むことで、その帯域が利用できるようになっています。
プレミアムコネクトは帯域によって料金も変わりません。
1Gbpsでも100Gbpsでもお値段据え置きという太っ腹価格です。
「でもそうなるとやっぱりお値段が気になります。お高いんじゃないですか?」
「いえいえそこはお任せください!今ならなんと・・・」
おっとつい通販番組みたいなノリになってしまい失礼しました。大人の事情でここで
料金は言えないのですが、月額でいうと東京都内、それも都内の庶民的なエリアの
駐車場料金相場レベルといったところでしょうか。
プレミアムというと、もしかしたらちょっと高そうなイメージを持ってしまうかもしれませんが、
別に、無駄に金ピカのケーブルを使って法外な料金を請求したり、
有名人やセレブの紹介がないと受け付けてもらえない会員制になってたり、
どう違う?
ATBeXとプレミアムコネクトについて書いてきましたが、
この2つは何が違うのかというと、以下の表にまとめました。
1.帯域の違い
ATBeXは50Mbpsという狭帯域から利用可能なのに対して、プレミアムコネクトは
比較的広帯域(1Gbps以上)での利用となります。
例えば、AWSの場合、プレミアムコネクトは1Gbps/10gbps/100Gbps、
ATBeXは50Mbps/100Mbps/200Mbps/300Mbps/400Mbps/500Mbps/1Gbps/2Gbps/5Gbps/10Gbps
となっていますが、詳しくはこのサイトの「ATBeXとは」の「メガクラウドへの接続性」のところに、
各クラウドごとのプレミアムコネクト、ATBeXの接続帯域が載ってますので、確認してみてください。
2.効率性の違い
プレミアムコネクトはオンプレミス環境とダイレクト接続ポイントの間を1:1でケーブルをひっぱります。
2ヵ所、3ヵ所と接続先を増やす場合、物理的なケーブルを2本、3本と引くことになります。
これに対してATBeXは、1本の物理回線(以下接続回線)をつなげば、
その回線の中で複数の論理回線を引くことが可能です。
例えば、1Gの接続回線でATBeXにつなぎ、その中を100Mbpsの論理回線を引いて、AWSにつないだとします。
その後やっぱりAzureにもつなぎたいとなったら、また100Mbpsの論理回線を増やすことができます。
接続回線の帯域の範囲内(この場合は1Gbps)であれば、その範囲を上限として、上限までは論理回線を増やすことができます。
接続先ごとに論理回線の帯域を設定できるため、この接続先は500Mbps必要だけど、
こっちは50Mbpsで十分といった使い分けができます。
3.柔軟性の違い
プレミアムコネクトの納期は標準10営業日、最低利用期間は1年です。
ATBeXの接続回線の納期は最大10営業日が必要ですが、論理回線は2営業日で開通可能です。
一旦接続回線を引いて、その接続回線の帯域の空きを残しておけば、あとで論理回線をすぐに増やすことができます。
また、接続回線の最低利用期間は1年ですが、論理回線は1ヵ月。つまり短期間での利用用途にも適していると言えます。
また、ATBeXオーケストレータシステム(@OS)での制御により、
必要なときに必要な帯域に変更が可能になっており、要件の変更にも迅速に対応できます。
さらに、ATBeXは「ATBeX、プレミアムコネクトというサービスの位置づけ」のところでも書いたように、
クラウド接続だけでなく、インターネットIX、通信事業者相互接続、データセンター相互接続など多彩な利用用途に対応しています。
何を基準にどう選択する?
では、クラウド接続するにあたって、どう選択すればよいのかというと、
やはり、上記の違いで書いた帯域、効率性、柔軟性の3つのポイントで考えるのがよいかと思います。
1.帯域
まずは帯域がどのくらい必要かです。
とてもざっくり言っちゃうと狭帯域はATBeX、広帯域はプレミアムコネクトです。
1Gbpsなんていらない、100Mbps、200Mbpsで十分ならATBeX。
1G、10Gといった帯域が必要な場合は単純にコストだけで見ると、
プレミアムコネクトの方が安かったりするので、プレミアムコネクトが有力。
あとはプラス以下の2点を加味して考えます。
2.効率性
次に効率性が必要かです。つまり、今後接続先を増やしたりする可能性があるかどうかです。
あるならATBeX、近い将来そういう予定はなく、1:1で1本引けばしばらくは
それでよいならプレミアムコネクトを、と考えます。
3.柔軟性
最後に柔軟性が必要かです。
短納期で論理回線を増やさなければならないようなことがあり得るのか、
数か月といった短期間での利用ニーズがあるか、あるならATBeX。
クラウド接続以外のさまざまな用途で接続したいのであれば即ATBeXをおすすめします。
まとめ
1.アット東京のクラウド接続サービスはATBeX、プレミアムコネクトの2つ。
2.ATBeXは以下の特徴をもつサービス
- 構内のネットワークサービス
- オンプレミス環境とダイレクト接続ポイントの間を接続
- L2(データリンク層)ベース
- 閉域
- 50Mbpsといった低帯域から利用可能で、帯域確保
- 1つの物理接続で複数の論理接続が可能
3.プレミアムコネクトは以下の特徴をもつサービス
- 光ファイバーの構内配線サービス
- オンプレミス環境とダイレクト接続ポイントの間を接続
- 閉域
- 帯域は各クラウドのダイレクト接続サービスに対応した帯域
4.相違点と選択する基準
- 帯域
ATBeX:50Mbps~10Gbpsと狭帯域から細かく帯域を設定可能。
プレミアムコネクト:1Gbps~100Gbpsまでと比較的広帯域に対応。
- 効率性
ATBeX:ATBeXに接続回線を引いてつなげれば、
接続回線の帯域の範囲内で論理回線を複数引ける。
論理回線ごと帯域を設定可能。
プレミアムコネクト:接続先ごとに1:1でケーブルを1本1本引く。
- 柔軟性
ATBeX:接続回線の納期は最大10営業日。論理回線は2営業日
最低利用期間は接続回線は1年、論理回線は1ヵ月。
クラウド接続以外にも、インターネットIX、通信事業者相互接続、
データセンター相互接続など多彩な利用用途に対応。
プレミアムコネクト:標準10営業日。最低利用期間は1年。
上記3つの相違点を見比べて、どちらのサービスが要件を満たすのかによって、選択するのがよいと思います。
今回とても長くなってしまい申し訳ございません。
最後まで読んでいただいた方ありがとうございました!
それではまた。
この記事を書いた人 @Sherpa
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