AWS Direct Connectの帯域変更ってどうやるの?② ~ATBeXの場合~

2021.10.21

AWS

皆さん、こんにちは。

ATBeXのサービス企画を担当しております、すぎちゃんです。

10月になりコロナの感染者数が減ってきて、少しずつ、お客さま先での打合せも増えてきており、アクティブに活動できるようになってきました。リモート会議にすっかり慣れてきましたが、やはり、対面で打合せすると気持ちもしっかり伝えられるような気がしていいですね!

ATBeXのご契約回線数は、皆さまのお陰で好調で、今年度は増加の傾きが急勾配になり増えてきております!

コロナも収束してほしいし、ATBeXはこの調子で、まだまだ、どんどんと回線数を伸ばしていけるように盛り上げていきたいと思います!

今回は前回に引き続き、AWS Direct Connectの帯域変更(ATBeX編)について解説いたします。

ちなみに前回の記事は、こちらです。

AWS Direct Connectの帯域変更ってどうやるの?① ~プレミアムコネクトの場合~

目次

ATBeX ServiceLink for AWSとは?

今回は、ATBeXでのAWS接続における帯域変更の方法です。

まずはATBeXでのAWS接続サービス(ATBeX ServiceLink for AWS)について紹介します。

ATBeX ServiceLink for AWSは、アット東京の相互接続プラットフォームATBeXを介して、AWS Direct Connectに接続するサービスです。本サービスは「AWS Direct Connectホスト接続」の各メニューに対応しております。

プレミアムコネクト(AWS Direct Connect専用接続)の場合と比較して、狭帯域からの接続が可能というメリットがあります。お客さまが利用できる帯域パターンとしては【50Mbps】【100Mbps】【200Mbps】【300Mbps】【400Mbps】【500Mbps】【1Gbps】【2Gbps】【5Gbsp】【10Gbps】の10個の帯域メニューから、お客さまの必要な帯域に合わせて選択できます。

ATBeXでは、お客さまご契約ラックまで敷設した光ファイバー物理回線(ATBeX接続回線、以下、接続回線)の中に、AWS向けの論理回線 (ATBeX ServiceLink for AWS、以下、論理回線)を作成してAWSへ接続します。

「ATBeX ServiceLink for AWS」のご利用イメージ

ATBeXでのAWSへの接続は論理回線で提供されるため、接続帯域は論理回線(VLAN)の帯域設定により決まります。接続回線の中に新設する論理回線帯域分の空きがある場合、プレミアムコネクトのときのような物理的なポート変更作業は発生しません。論理回線の追加は申請後2営業日で対応可能です。

ATBeX ServiceLink for AWSでの帯域変更時の制約事項

それならば、AWS Direct Connectホスト接続の帯域変更だけで無停止で切り替えられそうだと思うのですが、残念ながら、そうはいかないのです。

以下のような制約があるため、どのような切替方法で切り替えるのかは考慮が必要となります。

【制約1】 AWS Direct Connectホスト接続の帯域変更は「新設」「廃止」で行う必要がある

AWS Direct Connectホスト接続では、「帯域変更」のオペレーションはなく、帯域の変更を実施する場合は「新しい接続の新設」「古い接続の廃止」で対応する仕様となっています。

【制約2】ATBeXでは、接続回線帯域以上の論理回線を収容できないため、接続回線の見直しが必要になる場合がある

接続回線が1Gポートの場合、そのポートの中に収容できる論理回線帯域の総和が1G以下でなくてはなりません。論理回線を増速して総和が1G以上となる場合は、新たな接続回線を準備してそちらに収容する必要があります。

(ただし、新回線と旧回線の切替の際に並行で2回線を準備し、一時的に論理回線の総和が接続回線帯域を超え、切り替え後に1G以下へ収まる場合は、同一回線で対応可能です)

ATBeX ServiceLink for AWSでの帯域変更方法

例えば、【100M】から【200M】へ変更する場合を例にして考えてみます。

【方法1】同じ接続回線内に新帯域の論理回線を作成、切替後、旧帯域の論理回線を削除

これが一番一般的な方法だと思いますが、以下の図のように、同じ接続回線内に、新帯域の接続(VLAN番号101)で作成し、2回線の一時並行運用期間で、接続の切替が完了した後に旧帯域の接続(VLAN番号100)を削除するという方法です。【制約2】があるので、既に利用している論理回線帯域の総和に増速後の回線帯域を加えても接続回線帯域以内であることが前提条件となります。この方法では、ユーザー側接続回線内のVLAN番号が旧論理回線と新論理回線で別のVLAN番号にする必要があります。

<手順>

  1.  新帯域の論理回線の申請(新帯域の論理回線のVLAN番号が既存と被らないこと)
  2.  新帯域のVIFの承諾(AWS管理コンソール)
  3.  ネットワーク切替(新回線と旧回線の並行運用)
  4.  旧帯域の論理回線の廃止
  5.  旧帯域のVIFの削除(AWS管理コンソール)

【方法2】同じ接続回線内でVLAN番号を変更せずに切替

方法1ではVLAN番号の変更が必須となりますが、VLAN番号を変更せずに切り替えたい場合は、旧帯域回線の廃止、新帯域回線の新設を順番でうまく行うことで、同じVLAN番号での切替も可能です。ただし、この方法は停止時間を許容できる場合に限りますので、検証環境など停止期間が発生しても問題ない場合にこの方法を選択することができます。

<手順>

  1.  旧帯域の論理回線の廃止
  2.  旧帯域のVIFの削除(AWS管理コンソール)
  3.  ネットワーク停止期間
  4.  新帯域の論理回線の申請(新帯域の論理回線のVLAN番号が既存と被らないこと)
  5.  新帯域のVIFの承諾(AWS管理コンソール)

ネットワーク停止期間は、標準的に申請システム経由での申請を行う場合は旧回線の廃止(申請後2営業日以内)、新回線の新設(申請後2営業日以内)で4営業日の停止が発生します。ただし、上記の手順や申請内容・手順について、お客さま側とアット東京の開通担当側で認識を合わせて作業を行うことで1日以内での切替を行うことも可能です。詳細は弊社営業までご相談ください。

【方法3】新たな接続回線を敷設して切替

論理回線の回線帯域の増速により既存の接続回線の帯域を超える場合、新たな接続回線を敷設して回線帯域の増速を行う必要があります。この場合、既存の接続回線とは別の接続回線となるため、VLAN番号を任意に割り振ることができ、既存の接続回線のVLAN番号と同じVLAN番号をご利用いただくことが可能です。ただし、この構成を行うためには、接続回線が別途必要になり、切替作業時にお客さま側での物理的な収容機器への接続等の作業も必要となります。

<手順>

  1.  新帯域用の接続回線の申請
  2.  新帯域の論理回線の申請(新帯域の論理回線のVLAN番号の制約なし)
  3.  新帯域のVIFの承諾(AWS管理コンソール)
  4.  ネットワーク切替(新回線と旧回線の並行運用)
  5.  旧帯域の論理回線の廃止
  6.  旧帯域のVIFの削除(AWS管理コンソール) 
     ※旧帯域を収容している接続回線は継続利用も廃止も可能

まとめ

最後に3つの切替方法の比較を表にまとめます。

ユーザー側VLAN ネットワーク停止時間 コスト
【方法1】
同じ接続回線内に新帯域の論理回線を作成、切替後、旧帯域の論理回線を削除

変更あり

お客さま切替作業・論理のみ

並行期間中の論理回線重複あり

【方法2】
同じ接続回線内でVLAN番号を変更せずに切替

変更なし

回線切替+お客さま切替作業

並行期間なし

【方法3】
新たな接続回線を敷設して切替

変更なし

お客さま切替作業・物理と論理

接続回線の追加+並行期間中の論理回線重複あり

お客さまの重要視する要件により、どの方法をとるべきかが決まると思います。

「構成上、同じVLAN番号で切り替える必要がある」

「ネットワーク停止の許容時間をなるべく短くしたい」

「コストをとにかく最小限にしたい」

など。何を重要視して、どの方法で進めるか検討してみてください!

本ブログが皆さまの構成検討の一助になると嬉しいです。。。。

この記事を書いた人 すぎちゃん

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