クラウド専用接続(プライベート接続)の料金比較をやってみたぞ!!!

はじめに

こんにちは、ケチケチおじさんじゃ!

皆さんにお会いするのは初めてなので、軽く自己紹介したいと思うぞ。


わしゃ、アット東京内で技術的な営業支援をする部隊におる。

日々さまざまなお客さまのご要望をお聞きし、お客さま目線で可能な限りマッチしたプランを提案していきたいと思っとる。

勿論、お客さまのご要望以上の提案をすることを心掛けてはおるが、お話を聞けば聞くほど、やはり費用対効果が一番重要と実感するのじゃ。

同じことができるなら、より安価で利用したいと思うのは誰しもが思うことじゃろう。(わしもそうじゃ!!)

そこで、今回はこのブログで『オンプレミス、クラウド間の安全で低遅延の回線環境』である専用接続(プライベート接続)の「コスト」の話をしたいと思っておる。

一番、安いのは何処なのか?

周りから「ケチ」と言われようが考えてみたい、、、ゆえにケチケチおじさんじゃ!

昨今は、オンプレミス環境のシステムとクラウド内のシステムをうまく結合して業務を実施している例が多々あるようじゃ。

ここでキーワードになってくるのが、冒頭でも出てきた『オンプレミス、クラウド間の安全で低遅延の回線環境』つまり、専用接続じゃな。

当然、各クラウドでも専用接続のサービスがラインナップされておる。

クラウド名 専用接続サービス名
AWS Direct Connect
Azure Express Route
Google Cloud Interconnect Partner Interconnect
IBM Cloud Direct Link
Oracle Cloud FastConnect



こんな感じじゃな。

では、まず各クラウドでの専用接続サービスの料金体系から見ていこうかの!

※ここでは、アット東京のATBeXにて専用接続できるサービスについて書いてゆくぞ。

目次

AWS Direct Connectの料金

AWS Direct Connectの料金はどうじゃろう?

AWSのサイトには料金は、容量、ポート時間、データ転送 (DTO) の3つの要素があると書いてあるのぉ。

容量

「容量とは、ネットワーク接続でデータを転送できる最大レートのことです。AWS Direct Connect 接続の容量は、メガビット/秒 (Mbps) またはギガビット/秒 (Gbps) で計測されます。1 ギガビット/秒、または 1 Gbps は、1,000 メガビット/秒 (1,000 Mbps) に相当します。」  

出典元:AWS HP

 

   ⇒ つまり、50M、100M、、、と言った回線帯域の事じゃな。

     まあ、利用できる容量が増えれば料金はUpし、減れば料金はDownするのは当然じゃな!


ポート時間

「ポート時間は、AWS Direct Connect ロケーション内で、AWS または AWS Direct Connect デリバリーパートナーのネットワーク機器で使用するためにポートがプロビジョンされている時間を測定します。ポートをデータが通過していなくても、ポート時間の料金は発生します。ポート時間料金は、接続タイプ (専用またはホスト型) によって決まります。専用接続ポート時間料金は、日本を除く、全世界の AWS Direct Connect ロケーションで一律です。」  

出典元:AWS HP

容量 ポート時間料金(日本を除く) 日本でのポート時間料金
50 Mbps 0.03 USD/時間 0.029 USD/時間
100 Mbps 0.06 USD/時間 0.057 USD/時間
200 Mbps 0.08 USD/時間 0.076 USD/時間
300 Mbps 0.12 USD/時間 0.114 USD/時間
400 Mbps 0.16 USD/時間 0.152 USD/時間
500 Mbps 0.20 USD/時間 0.190 USD/時間
1 Gbps 0.33 USD/時間 0.314 USD/時間
2 Gbps 0.66 USD/時間 0.627 USD/時間
5 Gbps 1.65 USD/時間 1.568 USD/時間
10 Gbps 2.48 USD/時間 2.361 USD/時間

出典元:AWS HP

   ⇒ つまり、通信ポートを占有するからプロビジョンされている間は、

      データの送受信が無くても時間で課金されるということだな!

     って!!!なんですとっ!!!

   

「日本を除く、全世界の AWS Direct Connect ロケーションで一律です  」

出典元:AWS HP


てことは、日本だけ料金が違うのか。。。

でも、日本だけ料金が安く設定されておるようじゃな。。。

これはこれで嬉しいが複雑な気持ちじゃ。。。


データ転送 (DTO)

「データ転送アウト (DTO) とは、AWS Direct Connect を介して AWS 外の宛先に送信されるネットワークトラフィックの累積値を指します。これはギガバイト (GB) ごとに課金され、容量測定とは異なり、DTO は速度ではなくデータ転送量を指します。DTO を計算する際の正確な料金は、使用している AWS リージョンと AWS Direct Connect ロケーションに依存します 。データ転送インとは、外部から AWS Direct Connect を介して AWS に送信されるネットワークトラフィックを指します。AWS Direct Connect のデータ転送インは、すべてのロケーションで 1 GB あたり 0.00 USD で課金されます。」  

出典元:AWS HP

Direct Connect へロケーション アジアパシフィック(東京、大阪)
アット東京 CC1 中央データセンター 、東京 0.0410 USD
Equinix OS1、大阪 0.0410 USD
Equinix TY2、東京 0.0410 USD

出典元:AWS HP

   ⇒ 各AWSリージョンからDirect Connectを経由して外(オンプレミス等)に対する

     合計のデータ転送量がかかるってことだな。外からAWS(イン)に対しての課金はなさそうじゃな。

     Direct Connectロケーションは、日本ではアット東京 CC1 とEquinix TY2とOS1の3か所

     あって仮に日本のリージョン内のVPCと通信したい場合には、一律0.0410USD/GBかかるようじゃな。

Azure Express Routeの料金

Azure Express Routeは料金プランが2つあり、選べるようじゃな。

従量制課金データ プラン

回線帯域幅 Standard月額料金 Premium月額料金 含まれる受信データ転送 含まれる送信データ転送
50 Mbps $55 $155  無制限 なし
100 Mbps $100 $275 無制限 なし
200 Mbps $145 $445 無制限 なし
500 Mbps $290 $1,090 無制限 なし
1 Gbps $436 $1,886 無制限 なし
2 Gbps $872 $3,122 無制限 なし
5 Gbps $2,180 $5,180 無制限 なし
10 Gbps $3,400 $6,400 無制限 なし


送信データ転送の価格

ゾーン 価格/GB
ゾーン 1 $0.025 
ゾーン 2 $0.050
ゾーン 3 $0.140
ゾーン 4 $0.100

出典元:Azure HP

   ⇒ このプランは、帯域幅を占有するための月額費用とAzureから送信される

     データ(GB単位)がかかるようじゃな。

     また、この料金は冗長性のための2つのポート利用料金となっているようじゃ。

     ここで出てくる「Standard」「Premium」とはなんじゃろ?

「ExpressRoute Standard 回線を使用すると、既存のプラン料金から追加料金なしで、同じ地政学領域のすべての Azure リージョンにアクセスできます。たとえば、北米では、顧客は、既存のプラン料金に加えて追加料金を支払う必要なく、北米内の任意の Azure リージョンにデータを送受信できます。」

「ExpressRoute Premium 回線を使用すると、すべての Azure リージョンにグローバルにアクセスできます。」  

出典元:Azure HP

  
   ⇒ つまり、AzureではStandard 回線の場合、接続先ロケーションがアット東京(東京2)

     であれば同じ地政学領域(日本)のすべての Azure リージョン(東日本、西日本)に

     アクセスできて、別のゾーン(すべてのAzureリージョン)にデータを送信する場合は

     Premium 回線になるようじゃな。

無制限データ プラン

回線帯域幅 Local回線月額料金 Standard回線月額料金 Premium回線月額料金 含まれる受信データ転送 含まれる送信データ転送
50 Mbps 利用不可 $610  $710 無制限 無制限
100 Mbps 利用不可 $1,230 $1,405 無制限 無制限
200 Mbps 利用不可 $2,300 $2,600 無制限 無制限
500 Mbps 利用不可 $5,200 $6,000 無制限 無制限
1 Gbps $1,600  $8,700 $10,150 無制限 無制限
2 Gbps $2,500 $17,400 $19,650 無制限 無制限
5 Gbps $3,900 $41,000 $44,000 無制限 無制限
10 Gbps $6,000 $82,000 $85,000 無制限 無制限

出典元:Azure HP

     このプランは、帯域幅を占有するための月額費用だけじゃな。

     こちらは帯域だけ気にしていればいいのである意味分かり易いのか。。。

     先程の従量制課金データ プランにはなかった「Local回線」というものもあるな。。。



「ExpressRoute Local とは、Standard SKU と Premium SKU 以外の ExpressRoute 回線の SKU のことです。 Local の主な機能は、ExpressRoute ピアリングの場所の Local 回線で、ユーザーが、同じ都市圏内またはその近くにある 1 つまたは 2 つの Azure リージョンにのみアクセスできるようにすることです。

これに対し Standard 回線では地政学的領域内のすべての Azure リージョンに、Premium 回線では世界中のすべての Azure リージョンに、ユーザーはアクセスすることができます。

具体的には、ローカルの SKU では、ExpressRoute 回線の対応するローカル リージョンから (Microsoft とプライベート ピアリング経由で) ルートをアドバタイズすることのみ可能です。

定義されたローカル リージョンとは異なる他のリージョンのルートを受け取ることはできません。」  

出典元:Azure HP

   ⇒ Local回線の場合、接続先ロケーションがアット東京(東京2)であれば

     東日本 Azure リージョンにはアクセス可能のようじゃな。

Google Cloud Interconnect Partner Interconnectの料金

Google Cloud Interconnect Partner Interconnectは、どんな感じじゃ?

「Google は、VLAN アタッチメントの通信容量に応じて料金を 1 時間単位で請求します。この時間単位の料金は、VLAN アタッチメントを所有するプロジェクトに課金されます。VPC ネットワークからアタッチメントを介した下りトラフィック(外向きトラフィック)は、通常の Google Cloud ネットワーク料金と比べて割安になっています。下り(外向き)の料金は、転送されたギガバイト(GB)数と Interconnect 接続のロケーションによって異なります。この割引料金は、VLAN アタッチメントが配置されているリージョンからのトラフィックにのみ適用されます。VLAN アタッチメントを使用して、VLAN アタッチメントとは異なるリージョンに配置されたサービスにアクセスできます。この場合、VLAN アタッチメントが配置されているリージョンとサービスが配置されたリージョン間のトラフィックについて標準のクロスリージョン料金が適用されます。Cloud Interconnect の下り(外向き)の料金は、VLAN アタッチメントを所有するプロジェクトに加算されます。Interconnect 接続を有するプロジェクトには、下り(外向き)は課金されません。具体的には、異なるホスト プロジェクトの Interconnect 接続を通過する、共有 VPC サービス プロジェクトの VLAN アタッチメントからの下り(外向き)トラフィックの料金は、サービス プロジェクトに課金されます。」  

出典元:Google Cloud HP

パートナーのVLANアタッチメントの容量 料金
50 Mbps VLAN アタッチメントごとに $0.05417/時間
100 Mbps VLAN アタッチメントごとに $0.0625/時間
200 Mbps VLAN アタッチメントごとに $0.08333/時間
300 Mbps VLAN アタッチメントごとに $0.1111/時間
400 Mbps VLAN アタッチメントごとに $0.1389/時間
500 Mbps VLAN アタッチメントごとに $0.1736/時間
1 Gbps VLAN アタッチメントごとに $0.2778/時間
2 Gbps VLAN アタッチメントごとに $0.5694/時間
5 Gbps VLAN アタッチメントごとに $1.25/時間
10 Gbps
VLAN アタッチメントごとに $2.36/時間
20 Gbps VLAN アタッチメントごとに $3.61/時間
50 Gbps VLAN アタッチメントごとに $9.02/時間

出典元:Google Cloud HP

相互接続を介した VPC ネットワークからの下り(外向き)トラフィック

Interconnect 接続のロケーション 料金
アジア $0.042/GB
ヨーロッパ $0.02/GB
北アメリカ $0.02/GB
南アメリカ 1 GB あたり $0.08
オーストラリア $0.042/GB

出典元:Google Cloud HP

   ⇒ こっちは、ロケーションに依存せずアタッチメントごとの課金で、

     データ転送はロケーションによって金額に差があるようじゃ。

IBM Cloud Direct Linkの料金

IBM Cloud Direct Linkは、、、こちらも月額定額制と従量制があるようじゃな。

定額制

速度 US、カナダ、EU アジア太平洋 ブラジルとメキシコ
50 Mbps $250 $333 $400
100 Mbps $500 $665 $800
200 Mbps $1,000 $1,330 $1,600
500 Mbps $2,500 $3,335 $4,000
1 Gbps $5,000 $6,650 $8,000
2 Gbps $10,000 $13,300 $16,000
5 Gbps $25,000 $33,250 $49,000
5 Gbps $50,000 $66,500 $80,000

出典元:IBM Cloud HP

従量性

速度 グローバル
50 Mbps $40 
100 Mbps $45
200 Mbps $60
500 Mbps $150
1 Gbps $250
2 Gbps $500
5 Gbps $1,200
10 Gbps $1,800
25 Gbps (IBM Connect のみ) $2,999
40 Gbps (IBM Connect のみ) $6,999
50 Gbps (IBM Connect のみ) $7,999
100 Gbps (IBM Connect のみ) $12,999

出典元:IBM Cloud HP

従量性データ転送料金

ティア US、カナダ、EU アジア太平洋 ブラジルとメキシコ
GB ごと $0.03  $0.05 $0.14

出典元:IBM Cloud HP

   ⇒ ここは、定額制は各エリアで料金が異なるが従量制はポート占有の料金は

     全世界同じでデータ転送料金なんじゃのぉ 。

Oracle Cloud Infrastructure FastConnectの料金

最後にOracle Cloud Infrastructure FastConnectじゃな。

Product Unit Price (Port Hour) Includes
1 Gbps $0.2125  インバウンド、アウトバウンドのデータ転送に別途料金の発生なし
10 Gbps $1.2750  インバウンド、アウトバウンドのデータ転送に別途料金の発生なし
100 Gbps $10.7500  インバウンド、アウトバウンドのデータ転送に別途料金の発生なし

出典元:Oracle Cloud Infrastructure HP

   ⇒ ん?ここは、1G、10G、100Gしかないな。。。

     1G以下は1Gと同じ金額のようじゃ。

     しかも帯域しかプライシングの要素が無いようじゃな。

     それまで見てきたクラウドの中では、一番シンプルな設定ともいえるぞ。

さあて、料金比較じゃ!

さてさてここまで見てきてじゃが、だいたい各社共通するのはクラウドへの通信(イン)には料金がかからない、

ポートを占有するので確保料金とクラウドからの通信(アウト)に利用した分のGB単位での通信料がかかるようじゃな。

また、月額定額制が採用されており、使えば使う分だけお得なプランを設定しているところもあるようじゃ。


う~む、結局いったいどこがお得なんじゃ?

パッと見じゃ分からんので条件を付けて概算を出してみるぞい。

既定条件

  1. 各クラウドへの接続元はアット東京
  2. 各クラウドの接続先はアット東京が所属するエリア(ゾーン、リージョン)で1つの仮想ネットワーク
  3. 1ヶ月(730時間)で計算
  4. 外部へのデータ転送は2TB利用

【条件1】利用帯域:50Mbpsの場合  

【条件2】利用帯域:1Gbpsの場合


やはり条件によって、だいぶ利用料金に差が出てくるようじゃな。

もちろん、利用する予定のクラウドにしかない機能や特化したソリューションがあったり、この回線接続以外の課金もあったりするのでこれがすべてではないじゃろうが、参考にはなるのではないかな?

いかがじゃったかのぉ。

ケチケチおじさんの『クラウド専用接続(プライベート接続)の料金比較をやってみたぞ!!!』は一旦おしまいじゃ。

また何かの機会に「コスト」について話すことが出てくれば、現れるかもしれん。

みんなが、もっとクラウドを活用してHappyな世の中になることを願っておるぞ!

ではまたな。



(注)
※為替レートによる誤差をなくすため、各クラウドの料金や料金比較はUS$にて計算しております。
※ここに掲載されている各クラウドの利用料金は2022年4月11日現在の各クラウド公式HPより抜粋しております。



この記事を書いた人 
ケチケチおじさん

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