ネットワークエンジニアによるCloud Labを利用した構成検証[パブリッククラウド・高可用性]

目次

1. はじめに

はじめまして、ネットワンシステムズ株式会社 クラウドHUBサービス担当の松浦です。

弊社ネットワンシステムズは、ネットワークインテグレータとして培った長年の技術力をもとにネットワーク観点でITインフラのデザインを行い、お客様に最適な付加価値とサービスをご提供しています。

今回は、弊社クラウドHUBサービスの拡充を目的として、アット東京様のCloud LabでATBeXを利用した構成検証を行いましたのでご紹介します。

2. 検証の背景

弊社では従来からクラウドHUBサービスとして、お客様のオンプレミスとパブリッククラウドのネットワークを接続するサービスを提供しています。

今回の検証目的は、地方公共団体様のお求めに応じたガバメントクラウド接続機能をご提供すべく、アット東京様のATBeXを利用したサービス建付けのための実証確認です。

またクラウドシフトが進む全市場のお客様においては、クラウド上システムの可用性確保がビジネス上の課題となっており、従来のクラウドHUBサービス経由とATBeX経由でのクラウド接続を組み合わせた高可用性を提供すべく、あわせて検証を行います。

この検証の計画にあたり、検証期間中のATBeX環境をどのように確保するかが弊社の課題でしたが、アット東京様 のCloud Labによる1日単位での環境貸し出しにより解決することが出来ました。

3. 検証構成

はじめに、ガバメントクラウド接続を想定した検証構成です。

オンプレミスルータと各パブリッククラウドの間を、VLANによりL2接続してBGPによるルーティングを行います。

次に、弊社クラウドHUBサービスとの組み合わせを想定した検証構成です。

ATBeXの付帯サービスである仮想マネージドルータを利用しつつ、オンプレミスからは2つの異なるダイレクト接続ポイント(CC1,TY2)を利用します。

パブリッククラウド側ダイレクト接続ポイントのメンテナンスや障害に対して冗長性を提供する構成です。

4. 結果

あらかじめ机上想定した内容が、実際に確証を得ることが出来ました。

正常性の観点では主にルーティングについて、パブリッククラウド側、オンプレミスルータ側それぞれのルーティングテーブルで予め想定したBGP優先パスが選択されていることを確認。

障害試験では、持ち込みルータのリンク障害、論理的な通信障害(ルータ アクセスリストで擬似的な通信不可を再現)などを発生させ、通信断時間が想定内に収まったことを確認しています。

パフォーマンス面では、各パブリッククラウドとの通信速度(今回50Mbpsでクラウドポート接続)に、想定外の遅延やパケットロスなどの懸念はありませんでした。

5. まとめ

今回の検証におけるポイント 3点です。

1. ガバメントクラウド接続を想定した構成が正しく機能することを実証

2. 弊社従来のクラウドHUBサービスと組み合わせた冗長構成が機能することを実証

3. ハイブリッドクラウドの検証環境として、Cloud Labの利便性を実感

実際に検証したエンジニアからのCloud Lab利用感は、必要な日数だけ利用できるという利便性以外にも、データセンターが持つ機械的なイメージとは全く違って静かな部屋に大型ディスプレイや机椅子、多くのホワイトボードなどの設備が充実しており、検証がスムーズに進んだと好評でした!

今後も弊社クラウドHUBサービスでは、アット東京様と協力しお客様へのサービスを拡充してまいります。

ネットワンシステムズ クラウドHUBサービスのご案内です。(別サイトへ移動)

この記事を書いた人 ネットワンシステムズ 松浦

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