ExpressRoute を物理的に deep dive する (第1回)

2021.09.09

Azure連載

はじめに

はじめまして、日本マイクロソフトの酒見(さけみ)です。

ATBeX のブログに記事を書かせていただくこととなりまして、ExpressRoute にかかわることや Azure にかかわることについて気軽に書いていく予定です。



ExpressRoute の機能的な説明は公式サイトであったりさまざまなブログなどで書かれていると思っているので、ここでは物理的な面から ExpressRoute を深掘りします。

とはいえ、社外秘の内容を書いてしまうと怒られてしまうので、あくまで docs に書かれていることや、実際に接続した状態で得られる情報などを基に内容を記載します。

免責事項として、この記事の内容は 2021年08月 頃の情報を基に記載しています。

Azure は頻繁にアップデートされるため、半年もすれば内容に差異が出る可能性は高いことをご承知おきください。



ExpressRoute はこういうときに使う

ExpressRoute を仮に知らなかったとしても、その利用者目線で一番簡単な理解としては以下のようになるのではないでしょうか。

自社ネットワーク、というのは読者の皆様が ExpressRoute のユーザーと仮定して、その会社内ネットワーク(いわゆる LAN など)を指しています。

自社ネットワークと Azure 環境が「何か」でつながっていて、相互に通信できる状態である、ということをシンプルに示しています。

結局 ExpressRoute を利用して実現したい構成としてはこれであり、逆にこれを満たすためにはどうすればいいのか、というのが Azure 未経験の方にとっての最初のステップとなることも多いです。



具体的な IP アドレス等も入れた形だとこうなります。

こうなった状態で、自社ネットワークにいる PC(10.100.0.10 など)から、Azure 環境にある VM が 10.200.0.4 の IP アドレスを持っていたとして、その IP アドレスに リモートデスクトップ接続 ができる、これが目指す環境の ひとつであることも多いです。

自社ネットワークと VNet(Azure 環境を書き換えました)との間をつなぐのが ExpressRoute であり、逆にこういった環境を整えたいのであれば ExpressRoute を利用しましょう、ということになります。



ExpressRoute はユーザーと Azure だけでは完結しない

実際に ExpressRoute を利用した設計を実装するにあたり、欠かせないのが ISP(キャリア、回線業者などさまざまな呼び方で呼ばれます)です。

具体的には、ExpressRoute ユーザーの拠点やデータセンターなどから Azure までを ISP が接続します。

なお、自社ネットワークと ExpressRoute を直接接続するタイプも次回以降のどこかで説明する予定ですが、事例をあまり聞かないため、一般的なものをここでは記載しています。

これら ISP のみなさまは、ExpressRoute 接続パートナーと呼ばれ、その一覧は [こちら] にあります。

ExpressRoute 接続パートナーは、そのそれぞれで対応している ExpressRoute の場所が異なり、大きく分けると日本のいくつかの場所のみに対応しているパートナーと、国外含めて多くの場所に対応しているパートナーがあります。

ExpressRoute 接続パートナー一覧にある ISP とすでにお付き合いがある、これらの回線をすでに利用中である、ということであれば ExpressRoute を利用する最初の準備は整っていると言えます。

利用している ISP が一覧に載っていなかったとしても、別の ISP と連携することで接続を提供できる可能性もあるため、まずはご利用中の ISP にご相談いただくことをオススメします。



おわりに

最初の記事ということでだいぶ基本的なところにとどまってしまいましたが、次からはより深掘りした内容を記載できればと考えています。

よろしければまたご覧いただければと思います。



この記事を書いた人 日本マイクロソフト 酒見

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