2022.12.27
日立ハイテクソリューションズは長年にわたりSI事業を展開しており、サーバー、ネットワーク、データベース、バックアップ環境の設計、構築、保守といった幅広いインフラサービスをお客さまへご提供してまいりました。
また、アット東京のパートナーとしてお客さまのサーバーをお預かりする際にはインフラ環境の構築、保守だけでなく、アット東京内に24時間365日常駐している運用オペレーターとともに長年にわたりサービス提供しております。今回はそのインフラ環境に役立つ弊社ソリューション:日立TCP最適化ソフトウェアのご紹介とATBeXとの検証および結果について簡単にご紹介させていただきます。
日立TCP最適化ソフトウェアとは
TCP最適化ソフトウェアはWAN高速化とも呼ばれているソリューションの一環となります。ご存じのようにTCP通信はメリットである信頼性の高さの反面、通信する機器間の距離が離れれば離れるほど距離遅延が発生し、距離やパケットロスとともに通信速度が低下してしまう問題があります。この現象はTCPを使用している以上は発生するため、今後の利用拡大が見込まれる5Gや衛星回線も同じように影響を受けてしまいます。
この課題を解決するソリューションの1つが日立TCP最適化ソフトウェアです。
世の中にはWAN高速化ソリューションがいくつか存在しますが、日立TCP最適化ソフトウェアの特長について3点ご紹介いたします。
- 送信側のみの設置でも効果を発揮
送信側、受信側の両方に設置しなくとも、高速化させたい送信側のみの設置でご利用いただけます。これにより、不特定多数のクライアントへの高速化や衛星回線などへ適用する際のハードルが低くなります。 - ソフトウェアのみでのご提供も可能
アプライアンスではないため、環境をご準備いただければソフトウェアのみでのご提供も可能です。 - キャッシュできないデータの高速化に強い
何度も利用するキャッシュ可能なデータではなくライブ画像、3D-CAD画像および暗号化データなどキャッシュ不可能なデータに対しても高速化可能です。
上記のようなシーンでの活用をご希望の方はぜひ弊社までご連絡ください。
日立TCP最適化ソフトウェアとATBeXとの検証
実施した検証の構成についてご説明します。
下図のようにAWSとATBeXで接続したアット東京 Cloud Labへ日立TCP最適化ソフトウェアを設置、その先のインターネット上に測定用のクライアントPCを配置。検証はAWS上の200MBデータのダウンロード時間を測定いたしました。また、今回はインターネット上の距離遅延についてNWエミュレータを使用して環境を再現しました。
*Amazon Web Services およびその他のAWS 商標は,米国およびその他の諸国におけるAmazon.com,Inc.またはその関連会社の商標です。
*Windows10は、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
NWエミュレータはインターネット通信時のサーバーとクライアント間の想定距離として、①1,000km、②3,000km、③8,000kmとした3パターンの遅延設定とし、日立TCP最適化ソフトウェアが無い場合と有る場合で各5回ずつ測定した結果が下記表となります。
この結果の通り、日立TCP最適化ソフトウェアが存在する構成において、約83~93%の改善が見受けられました。今回は距離遅延のみを想定したNWエミュレータの設定ではありますが、パケットロスや衛星回線における天候不安定下などにおいても改善が見込めるソリューションとなります。
昨今は企業の重要データもパブリッククラウドへ保存するケースが増えてきており、セキュリティや運用性の観点からATBeXを活用してご利用されているユーザーも多いとお聞きします。しかしながら、実際にご利用されるユーザーが遠方にいらっしゃる場合は冒頭でご説明したTCPの制約を受けることになりますので、今回の検証結果をご参考にしていただき、ぜひ弊社にてより良いインフラ環境整備のサポートをさせていただけますと幸いです。
なお、本記事ではご紹介しきれなかった「距離遅延が生じる理由」や「弊社ソリューションの仕組み」などについて詳細なご説明をご希望の方はぜひお問い合わせください。
今回ご紹介したソリューション
この記事を書いた人 株式会社日立ハイテクソリューションズ
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