2025年のATBeXを振り返って

2025.12.24

レポート

こんにちは。ATBeXのサービス企画を担当しております、高木です。

早いもので気が付けば今年も残りわずかとなりました。空気も冷たくなり冬の到来を感じますが、ウィンタースポーツの支度を始めたりすると、山の積雪情報が気になり始める時期でもあります。

さて今回は、みなさまにご利用いただいておりますATBeXサービスについて今年一年を振り返りたいと思います。2025年のATBeXは、クラウド接続での利用が大きく拡大しただけではなく、サービスの利便性向上や地域や事業者さまとの接続・連携の強化、AI領域での実証実験の開始など、プラットフォームとして大きく成長した一年となりました。

ATBeXご利用の拡大

みなさまにご利用いただいているATBeX接続回線と論理回線の契約数は毎年伸びておりますが、今年は特にガバメントクラウド接続で新たに多くの方にご利用いただきました。接続回線と比べると論理回線の契約数増加が大きく、直近1年間で約1.9倍になりました。

図1 ATBeX接続回線・論理回線の契約数

ガバメントクラウドへの接続では、図2のように各自治体からのクラウドアクセスを、都道府県WANを通じて地域のデータセンターで集約してATBeXへ接続されたケースがありました。そのようなケースでは1つの接続回線上に、県下の自治体の論理回線を多数設定することができますので、効率よく低コストにシステムを構成することが可能です。一つの接続回線に対して、サービスへと繋がる論理回線を複数設定できるATBeXの特徴を活かした事例と言えます。ATBeX全体で、1本の接続回線あたりの論理回線利用数が平均3回線を超え、みなさまがATBeXをよりご活用いただいていることを実感しました。

図2 都道府県WANを活用したガバメントクラウド接続の例

ATBeXネットワークやサービスの拡充

札幌AP・大阪ゾーン間直接接続および東京西AP開設

北海道総合通信網(HOTnet)さまとの連携によりATBeXによる札幌APと大阪ゾーン間の直接接続が6月に実現し、東京を経由せずに北海道と関西圏を直結できるようになりました。これにより、東京と大阪の両ゾーンを活用した冗長構成での主要メガクラウドとの閉域接続が可能となり、より信頼性が高く効率的なネットワーク環境を実現できるようになりました。また、関西圏のお客さまが広域自然災害への対応として、北海道のデータセンターを活用するような場合でもご利用いただけます。

図3 ATBeXによる札幌APと大阪ゾーン間の直接接続

さらに、セコムトラストシステムズさまが運用するセキュアデータセンター(以下SDC)内に、ATBeX東京西APを12月に開設しました。SDCは、SDC新館、SDC別館、そして新たに開設したSDC TC4で構成されるデータセンターキャンパスであり、特に厳しいセキュリティ要件や高品質・高信頼性を求めるお客さまに高く評価されています。これらのSDCをご利用のお客さまは、構内配線で直接ATBeXのアクセスポイントに接続できるようになりました。各種サービスや全国のデータセンターとの間を閉域で接続できるATBeXと組み合わせることで、高度なセキュリティが求められるシステムでの活用が期待されます。

図4 ATBeX東京西AP開設

Multi Interconnectとの接続やLux Lineとの連携

NTT東日本さまの「Multi Interconnect」との接続を3月より開始しました。これにより、NTT東日本さまのネットワークをご利用のお客さまは、パブリッククラウドへの柔軟な接続や、「ATBeX」をご利用のお客さまとの柔軟なデータセンター間接続が可能になり、利便性向上を推進できます。

引用: https://www.attokyo.co.jp/news/20250227.html (2025年2月27日公開)

図5 NTT東日本さまMulti Interconnectとの接続

オキットさまの「Lux Line」との連携を6月に開始しました。これにより、沖縄県内最大級のバックボーンネットワークであるLux Lineをご利用のお客さまが首都圏をはじめとする全国のデータセンターへの接続やパブリッククラウドへのアクセス性を向上させることができました。

図6 オキットさまLux Lineとの連携

GPUSOROBAN-AIスパコンクラウドとの閉域接続

ハイレゾさまが提供するGPUクラウドサービス「GPUSOROBAN-AIスパコンクラウド」へのATBeXを使った閉域網接続におけるビジネスモデル検証および相互接続についての実証実験を12月に開始しました。この環境を活用することで、LLMモデルへの独自データ追加学習や、機密性の高い開発中製品に関するシミュレーション等の業務を安全かつ容易に取り組むことが可能となります。GPUクラウドサービスへの接続は、ATBeXの新しい領域となりますが、ハイレゾさまとの連携を通じて、両社が持つサービスの強みを活かし、サービス品質を向上することで、お客さまの事業成長をサポートしていきます。

図7 ハイレゾさまGPUSOROBAN AIスパコンクラウドとの閉域接続

ATBeX WatchやCC3でのONUお預かりサービス提供開始

ATBeX Watchの提供を3月に開始しました。ATBeX接続回線や仮想マネージドルータおよびONUお預かりサービスをご契約中のお客さまを対象に、契約情報や直近約17時間分のトラフィックの状況をグラフで確認する機能を提供します。ユーザ・グループの管理機能があり、エンドユーザさまごとにグループを作り、それぞれの閲覧範囲を管理することも可能です。無料のWebアプリケーションとなっておりますので、是非ご活用ください。

図8 ATBeX Watch提供開始

また、CC3でも3月にONUお預かりサービスの提供を開始しました。キャリア回線をデータセンターへ引き込む際にラックを借りることなく回線終端装置を設置する場所を提供するサービスで、東京のCC1や大阪のDC12で提供していたものですが、CC3でもご利用いただけるようになり、利便性が向上しました。

最後に

ATBeXについて今年一年を振り返ってみました。

最近、サイバー攻撃によって企業の主たるビジネスが長期間停止せざるを得ないような事象が発生しています。そのような攻撃自体が存在しないことが望ましいのですが、まずは攻撃に備えることが大事です。ATBeXは、セキュリティ要件の厳しいシステムでも利用できる閉域接続サービスを提供しておりますが、重要なデータを守るデータバックアップに関するATBeXのソリューションサービスを検討しております。

また、ATBeXはメガクラウドへの接続で多数ご利用いただいておりますが、ATBeXの活用方法はそれだけではありません。複数のデータセンターをご利用いただいているお客さまによるデータセンター間接続や、取引先の業務システムへの閉域接続をする際に全国のATBeX中継回線を活用してネットワークを構築するなど、お客さまのラック間を接続するPartnerLinkをご活用いただくケースも増えております。今後はATBeXの活用事例紹介にも力を入れていきたいと思っています。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

この記事を書いた人 高木

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