2022.04.07
皆さまこんにちは。「広報の中のヒト1号」が書く、不定期更新の箸休めブログにようこそお越しくださいました。
今日はとてもとてもとても面白い、おすすめの小説の話からはじめたいと思います。
IT、ビッグデータ、ネットワーク、経済、オリンピック、復興が絡み合うミステリー小説
IT業界の人に超おすすめの小説があります。
その小説の名は「エアー2.0」(榎本憲男著)で、貸し出し用と自分用と複数購入し、とても気に入っている自分用のものは繰り返し読み、気に入ったところにポストイットを貼ったりするほど。
どんなお話か、面白いところを書くとそのままネタバレになってしまうので苦しいところですが、公開されている程度にあらすじを書くと・・・
エアー2.0 あらすじ
あの人は、資本主義をやり直そうとしているのか?
主人公の中谷は、東京オリンピック前の新国立競技場の工事現場で働いている。
ある日工事現場で出会った不思議な老人は、いかにも肉体労働には向かない身体つきで、実際向いていなかったようで仕事をクビになるが、その人は現場を去る直前、中谷に翌日の競馬の馬券を託した。
その人が姿を消した直後、工事現場では爆破事件が起こる。そして中谷が預かった翌日馬券は見事的中して驚くような金額になる。
大金を手にした中谷の前に再びあの老人が現れ、彼が開発した市場予測システム「エアー」の代理人となるよう中谷に頼む。
「エアー」、それは人間の感情を数値化し完璧な市場予測をすることを可能にし、政府が持っているビッグデータをインプットすれば、国家予算を潤すほどの巨額な利益をもたらすことができるものでもあった。
やがて、中谷は老人の壮大な計画に取り込まれてゆく・・・
どうですか、そそられるでしょう。
この小説の「エアー2.0」は「人間の感情を数値化し完璧な市場予測をすることが可能」。
そして現実の世界でも、既にこういうシステムは現れていて、マーケティング業界ではこういう例(Yahoo! Japan TECH BLOGより)なども出てきて、ちょくちょく見るようになりましたね。
SNSなどを通じて人々の感情を数値化することが可能な「センチメント分析」(「コミュニケーションから感情を読み取るセンチメント分析とは」(日経BP/IDGのオンラインメディア「CIO」2021年10月4日、6日掲載記事)掲載記事より)など、インターネット上の投稿を解析して人々の感情を分析するツールも出てきているとのこと。
この「センチメント分析」は、市場(株の世界)でも使われているようです(MONEY PLUS 2021年1月18日掲載記事より)。
お気に入りのブックカバーにおさまった「エアー2.0」。
おおっ!と惹きつけられたページには付箋が貼ってあります。
ビッグデータを扱うクラスのコンピューターがあるところ、その場所のお役目
前述の「センチメント分析」はAIで世の中の「ムード、気分、空気」を分析して可視化、数値化する。
膨大なデータ(ビッグデータ)・・・SNSの書き込みだったりインターネット上の行動履歴だったり・・・をインプットして高度な分析プログラムを走らせるものなのだろう、と容易に想像がつきます。
そしてこの使い方の場合目的は「分析」であって、コンピューターやネットワーク・通信回線はそのために必要な道具や環境といえると思います。
また、前述の記事(中編)によると、企業が自前でセンチメント分析の仕組みを構築する場合、その分析の機能はAPIで取り入れることが多く、大手クラウド各社がサービスにもAPIがあるそうですから、その道具(仕組み)や環境はアウトソーシングする、というのは合理的。頷けます。
そういえば、その「分析」はどこでしているのでしょうか、何がどのように動いているのでしょうか?
ここ、なんだかちょっとしたミステリー。。。
そこで、ATBeXまわりのテッキーな人たちに聞きまわって、謎解きしてみました。
謎 其の壱
クラウドが実際に、物理的に動く場所はどこ?
答え 其の壱
それはデータセンター、つまりアット東京みたいなところ。
データセンターで分析基盤(たとえば、Google CloudのBigqueryのような…)を使って、大量データの分析を実施するわけです。
謎 其の弐
では、分析基盤までのデータ収集と連携はどうなっている?
答え 其の弐
データはインターネット上や閉域ネットワーク内に分散していて、それらをガガーッと集めてきます。
で、そんなデータたちをリアルタイムに収集し、連携して分析するためには、オンプレミスやSaaSほか、メガクラウドとの安定した接続が必要です。 ←ここ重要!!
そこでは、ネットワークがとてもとても重要、想像つきますよね。そして!!ここに我らがATBeXの出番があるのです。
謎 其の参
ならば、収集と分析の仕組みを自動的に動かすためには?その仕組みは?
答え 其の参
集める、クラウドに上げる、そして分析…、膨大なデータ量なのに、手作業でするなんてどだい無理。
そこで、これらの連携処理を自動化してプログラミングで動かすのです。
各クラウドやサービスのAPIを連携させてプログラムを組み自動処理を実現する、というのをAPI連携でのシステムでおこなう、という仕組み。
ちなみに、このようなAPI連携でのシステム構築は、当社の@OSでもおこなっています!
どんなもんか??というのを@OSの仕組みの解説がてらちょっと書いてみますが、@OSでは
- @OSでクラウドAPI連携して
- クラウド側の設定とネットワーク機器の設定の自動化を行い
- 設定の自動化(数分で設定)を実現するサービスを提供
ということをしています。
前述の分析のアプリケーションもこの@OSと同じようなものを実装しており、ボタン1つでビッグデータ収集して分析し、結果表示する、などという便利なことを実現しているのです。
近い将来はその都度のプログラミングではなく、こういった制御もAIで自動的に最適化されていく仕組みに進化していくのかもしれません。そうしたら、エアー2.0のような世界が私たちのまわりで普通に実現されている世の中になるのかも????
クラウドにつなぐ、APIにつなぐ。
クラウドや、ビッグデータを処理できるクラスのコンピューターに膨大なデータをインプットしたり、分析した結果を得たり、他社の分析ツールを使ったり……というネットワークが必要になったら、さあ、そこで私どもアット東京の出番となるわけです。
世の中のムードを可視化するための仕事には、
こんな感じで当社の接続サービスを使っていただけるかな?の図
そういう使い方をしたことがありそうな、友人の研究者に聞いてみた
・・・と書いてきて、あれっ、ひょっとしてこういう使い方は研究の世界でも役に立てるのではないかしら?と閃いたわたくし。
尊敬する友人、研究者であるマリコ博士に聞いてみました。
(実際、マリコさんはホントに博士。Drです…こう書くと科捜研のヒトみたいですが、あのマリコさんではありません)
マリコ博士は某社研究所の研究者です。
マリコ博士は興味があるもなにも、すでに10年近く前に、自社のイメージや自社サービスに対するお客さの好感度や意識を知りたいと、センチメント分析を実施していた時期があったそうです。
世の中のSNSや検索されているワード(すなわちビッグデータ、ですね)を集めて、それを解析・分析。
そして、競合他社と自社のサービスの比較をしたり、自社のイメージをはかったり・・・
また、どういう言葉が多く呟かれたら、検索されたら、自社のサービスに良くまたは悪く影響する傾向になるのか、等々。。。「空気」を予測しようと試みたとのことでした。
いわく「当時は言葉だけだったけれど、今は動画や画像をフツーに使って分析してるのよぉ、とっても興味深いわよ」とのこと。
言葉(テキスト)だけでなく、画像や映像も入れば、より細やかに「世の中に流れる感情、情緒、空気(≒センチメント)」を知ることができるのではないでしょうか。
(やりとりされるデータの容量は大きくなるためトラフィック増になりますし、人の顔なども含まれれば個人情報の保護の観点からセキュアな環境も要りますね、よしよし、そこも私たちの出番)。
そしてそういう分析によって世間の不穏な空気や不安などをいちはやく察知し、それを払拭するような正しい情報を発信できれば、私たちの心の平穏が保たれるのではないか、と。
ビッグデータを集めて分析するサーバーの置き場所、そのサーバーにつながるネットワークにアット東京がひと役かうことがでたら、アット東京のデータセンターやATBeXが皆さまの心の平穏にも役に立つことに!?
ネットワークとかATBeXとかクラウドとかデータセンターとか、テッキーなものなんですけれども、案外と「雰囲気、空気」「こころ」につながっているかもしれないな、と思ったのでした。
お気に入りの小説からつらつらと思ったことを書いてみました、今回はこのへんで。
この記事を書いた人 広報の中のヒト1号
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